上野の東京美術館で開催されている『モネ展』に行ってきました。
かなり多くの人が来ていきましたが、平日の午後だったので混雑することもなく1点1点をゆっくりと観ることができました。
概要
フランスにある美術館「マルモッタン・モネ美術館」には、モネが86歳で亡くなるまでに残した作品が所蔵されています。
今回はその中から約90点の絵画のコレクションが展示されています。
今回の「モネ展」は、モネの人生をたどって行くように、年代順に作品が展示されていました。
モネは小さい頃から絵を書くことが大好きだったようで、先生の話もそっちのけで絵を描いていたそうです。
学生の頃に書いていたカリカチュア(風刺画)を見ると、「こんな絵も書いてたんだな~」とびっくりしました。
その後、本格的に風景画を描くことを勧められ、やがて風景画家となって各都市を回り絵を描きためていくんですね。
印象派と言われるその絵画は、光を捉え、水面の一瞬のきらめきや、都市生活を生き生きと描き、それまでの宗教画とは全く違った新しい絵画。
だから、いま観ても迫力いっぱいで、観る者に強い衝撃と感動を与えてくれるんですね。
美術の教科書で見た「睡蓮」も、これまで思っていた平面的で静かな絵というイメージを覆し、実は鮮やかな色彩を重ね大胆なタッチで描かれたものだったことに驚きました。
タイトルが「小舟」でありながら、キャンバスの殆どを占めているのは水面と水面下の藻。
まずは、この大胆な構図に目を奪われます。
小舟が中心ではなく右上に押しやられていますよね。
現代では写真やポスターなどでよく見る構図かも知れませんが、当時の芸術文化ではありえなかったのではないかと。
そして水面の輝き、水の動き、藻の流れる様子・・・モネ自身も気が狂いそうなチャレンジだったと言うほど苦しんだ作品。
これがまさに印象派なのでしょうね。
私が最も勘当した作品は
こちらの『小舟』。
晩年の作品も見応え十分!
晩年、モネは白内障でかなり視力が落ち、作品のタッチがガラリと変わります。 恐らくぼんやりとしか見えていなかったのでは?と思うほど、なんの絵を描いたのか判断するのが難しい作品もありました。 それでも、ずっと書き続けていたのです。 大好きな自分の庭にある『バラの小道』、『しだれ柳』・・・同じような絵が何枚も何枚も。 そのことに感動してしまいます。 好きなことを続ける強さ、熱い思い、大切にしたい心...今を生きる自分には足りないものばかり。そんな晩年の絵には、モネの人生の生き様がありありと表現されています。大切な庭
モネの住まいには3つのアトリエと広大な庭(大きな蓮の池も)があり、その手入れもモネが好んでしていたそうです。「私の庭は愛情をかけながらゆっくりと作り上げる一つの作品」である。というほど、自分の庭を愛していたそうです。 その庭を、フランスの造園家ジョルジュ・トリュフォーがこう言っています。
「モネのもっとも素晴らしい作品は彼の庭である」『モネ展』、間違いなく行ってみる価値のあるコレクションですよ。ぜひ!